社内対談～プロの洗礼

JVでT社の職員と一緒に
現場をやってたんだけど、
自分より一歳年上の
T社の職員の方が来られたんだ。
で、仕事する中で、
構造計算というものが
必要になるときがあるんだよね。

構造計算！
なんだか凄く難しそうですね。

学校の授業では
確かに構造計算もあったけど、
そんなまさか、
自分が構造計算をすることになるとは
思っていなかった。
さっぱり分かってないし、
覚えてないし。

やっぱり凄く難しいんですね。

でも、そのT社の職員は、
職人さんから

「この部分はこのH綱をこういう組み方でもつかねぇ」、
って聞かれて、
「分かった、ちょっと待って。」
って言いながら電卓で計算しだして
「あ、大丈夫。これ、もう一つ下のH綱でも大丈夫だよ。」
っていう答えを出した。
「すごいな、この人。」て思って、
どうやって計算するのか
その場で教えてもらったんだけど、
これが技術者だな、って感銘を受けた。

H綱の話、
僕も経験あるんだけど、
上司が
「ああ、こんなの単管重ねてやればもつよ」
って言うのを聞いて、
見栄じゃないか、大丈夫かなぁ、
って思って、
夜になってから一人で一生懸命計算したら
本当だった、ってことがありました。

単純なことなんだけど、
ああいう計算って、
知ってるのと知らないのと、
やっぱり違うよね。

うん、かっこいいよね。

最近は手計算せずに、
ソフトでできちゃうからね。

いや、最近はアプリですよ。

そうか。
便利で確かに良いとは思うけど、
本筋を知らんというか、そういうのはどうかね。

そう。
まずかったときに対処はどうなるのかな、
って。

それが、最近の若い子に
「サイン、コサインでやって、これ、いくつだ」、
って訊くと
パアッとアプリで計算して
「いくつです」って答えるから、
「適当にやっただろう？」
って思うときがある。
けど、合ってるんだよね。

ああ、公式とか、
全部入ってるからね

でも、三角描いて、
サインどっちだ、コサインどっちだ、
って聞くと全く逆を答えるんですよ。

アプリ頼みも、Web頼みも、ほどほどにしないとね。
Webの情報も、
間違いがそのまま載ってるときもあるからね。

間違いに気付かなくなっちゃうんですよね。

迷うとYahoo！の知恵袋とか、
調べれば載ってるから。
でも、
あればベストアンサーであって
正解ではないからね。
そこからどう裏付けをとるか、
だから。

応用が利かなくなっちゃうんですよね。

便利な分、怖い面でもあるね。

時間短縮にはなるけどね。
昔は本探しから始まって、
本をひもといてみて。
時間はかかるけど、
でもその方が頭には残る。

プロの洗礼を受けた、
って話じゃないんですけど、

私はこれからもマナーを
きっちりしていきたいと思います。
電話対応とか、
慣れじゃないですけど
親しくなってくると
言葉遣いも
ちゃんとできなくなってくるので
そこはしっかり意識して。

たとえば若手が入ってきて、
これができなきゃ事務のプロじゃない、
っていうのある？

まあ、雑務だったり、
気を遣えることですかね。

請求書だとか、
ファイリングだとか、
ああいうのも見ていると
やっぱりプロの仕事だなあ、
って俺は思うね。

うん、現場じゃできない。

やりに来てもらいたいくらいだね（笑）。

でも、請求書貼るのも、
最初は「雑だよ」って怒られましたよ。
でもそうやって前の方が
厳しく丁寧に教えてくださったので
今がありますね。
だから私も下の方が入ったら
同じように教えてあげたい。

私は先輩や上司に恵まれましたね。
入社して間もない頃は
先輩方がいろいろ気にかけてくれたし、
結構話しやすいですし、
プライベートな話も
気軽に交わせたので
馴染みやすかったですね。

それもKさんの人柄だよね。

来客も多いから、
そういうところも大変でしょう？

入社してすぐの頃でも
お客様や業者さんが
私の顔を覚えてくれて、
プライベートで会っても
声をかけてくれるようになったりとか、
嬉しかったですね。

看板娘だね。

いやいやいやいや……。

業者さんが言うもんね。
神野建設さんは
土建屋らしくない、って。
事務の女性が
すごくちゃんとしてる、って。

女性は、だよね。

そう言われているなら、
頑張らないと、ですね。

好評です。